(軽減税率)売上高の税率ごとに区分できない場合

(軽減税率)売上高の税率ごとに区分できない場合

[カテゴリ] 消費税その他
[更新日] 2020/2/4
[投稿者] 田中伸治
基準期間における課税売上高が5,000万円以下の中小事業者で、売上高を税率の異なるごとに区分することにつき困難な事情がある事業者については、以下の割合により売上高を税率ごとに区分することが認められています。なお、この困難な事情があるかどうかは、納税者が困難に思うかどうかとされていますので、税理士が可能かどうか判断するものではないことになります。
困難な事業がある事業者は、以下の方法で売上高を税率ごとに区分することを認められています。

1.小売等軽減仕入割合(卸小売特例)
2.軽減売上割合(10日間特例)
3.50% の割合(1.2で行うことが困難な場合に採用できます)

(1) 小売等軽減仕入割合(卸小売特例)

この方法は、卸・小売業が対象となります。従って、卸・小売業以外の業種を行っている場合には、その売上は対象となりません。
計算方法は、以下の計算式で仕入割合を求めます。
 
  • 仕入割合=卸売業・小売業にのみ要する軽減税率対象品目の税込仕入額/卸売業・小売業にのみ要する税込仕入総額

次に仕入割合を利用して卸・小売りの売上を軽減税率対象とそれ以外に按分します。按分してしまえば、通常の計算でそれぞれの税金を計算します。

(2) 軽減売上割合(10日間特例)
この方法は、卸・小売業を含めたすべての事業が対象となります。ただ、卸・小売業以外で売上高を税率の異なるごとに区分することにつき困難な事情がある事業は、かなり限られるような気がします。しかし、本人が困難に思うかどうかが判断基準のため網羅的な方法を作っておく必要があったのだと考えられます。
計算方法は、以下の計算式で、仕入割合を求めます。
 
  • 売上割合=分母と同期間の軽減税率対象品目の売上額/通常の連続する10営業日の税込売上総額
次に仕入割合を利用して卸・小売りの売上を軽減税率対象とそれ以外に按分します。按分してしまえば、通常の計算でそれぞれの税金を計算します。

(3) 50% の割合
50%の割合による計算は、上記の1.2.が困難な業者者に限り、適用が認められており、主に軽減税率対象品目を販売する事業者が対象となります。
この方法は、1.2.が困難な事業者となっていますので、10日間特例もとれなかった場合に該当することになり、税理士が関与している事業者では、該当する事業者は少ないと思われます。税理士の関与が遅れて決算月が終わってから契約したという場合にはこの方法しか採用できない・・という状況もあり得るかもしれません。
また、主に軽減税率対象品目を販売する事業者が対象ですので、50%の割合では10%の税率の金額が増え、結果として納税額が増えるといことになり、できるだけこの方法は避けたいところです。

なお、以上の計算方法は、平成 31 年 10 月1日から令和 5 年9月 30 日まで の期間において行った課税資産の譲渡等において適用されます。
 
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